ユーモレスク/長野まゆみ

ユーモレスク、誰でも一度は耳にしたことのある曲だと思います。
携帯電話の着信音に最初から入っている場合もありますね。

この話は、ちょっと悲しいお話です。

主人公の私の弟が、7年ぐらい前に行方不明になります。
しかも、学校の秋の遠足(当時、11歳)の最中に行方がわからなくなり、
死体も出てきていないまま現在に至ります。
死亡届をそろそろ出さないといけないのかねぇ。
両親と私は、いつも弟がいなくなった季節にそんな話をします。

家族は、弟がいつ帰ってきても良いように茶碗などの食器を毎年買い換え、
小さいながらも弟の部屋は手つかずでそのままにしてありました。

弟が慕っていた隣の男の子も既に成人していて、仕事をしています。
その彼が、姉のピアノを使ってユーモレスクをひいていました。
「君の弟が好きだった曲だよ。僕は、これしか弾けないけれど。」
自分の弟のを本当の弟のように可愛がってくれていた隣の彼と、
彼の知り合い(亡くなったと思われる弟と同じ歳)と私の三人で
最後には家を明け渡さなければならなくなり、弟の部屋の片づけをします。

弟の思い出話をしながら…。


すごく切ないですよね。
7年もの間、家族は弟を待っていたのだと思います。
待っても待っても来ないとわからながらも、待たずにはいられない。
そんな思いがひしひしと伝わってきました。
[PR]

by ddack1 | 2005-05-11 10:43 | books